Ankerから2022年の新商品GaNPrimeシリーズが発売されましたが、その中で気になっていた「Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)」を購入してみました。
USB充電器搭載モバイルバッテリーはいくつも存在しますが、今回Ankerから発売されたのは“同時”急速充電を実現するAnker独自技術「GaNPrime」を採用した10,000mAhの大容量モデルです。
この「GaNPrime」という新たな技術によって充電器使用時で最大65W、モバイルバッテリー使用時で最大30W出力できる充電性能の高い複数ポート仕様を実現しています。USB-Cが2ポートあってiPhoneとMacBookの同時充電ができるだけでなく、USB-Aも1ポート備わっています。USB-Cが普及しながらもUSB-Aってまだまだ使うことあるのでこれは助かりまね。
そんなAnker 733 Power Bankは、なんかもう全部揃ってるしこれ1台でいいんじゃない?くらいに仕上がっています。
デバイスを持ち出す時は、多い時だとそれぞれの充電器やモバイルバッテリーを合わせて2、3個一緒に持ち出すなんてこともあるのではないかと思いますが、これが1個あれば、あとは充電ケーブルが多くても3本で済みます。
そんなこと言いながらも、やはりデメリットもあり、そこも含めてレビューしていますので最後まで読んでもらえると嬉しいです。
結論から言うと、私はめちゃくちゃ使っています。
本記事では、「Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)」をレビューしていますので、充電器とモバイルバッテリーを1つにまとめて持ち歩く荷物を少しでも減らしたい方や、充電器の数を減らしてデスク周りをスッキリさせたい方にはおすすめなので、参考にしていただけると幸いです。
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Anker 733 Power Bank:製品の外観・仕様
Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)はAnker独自技術「GaNPrime」シリーズのうち、最大65W出力のモバイルバッテリー搭載USB急速充電器です。
GaNPrimeの特徴
- 100W以上にも対応する超高出力でありながら小型化を実現
- 複数ポートでも接続機器に最適かつ流動的に電力を分配し続け、充電を効率化
- 継続的な温度管理機能と出力制御により、さらなる安全性を追求
製品外観
製品本体はNano Ⅱシリーズと同じようにダークグレーをベースにシルバーメタリックを配色した高級感のあるデザインです。ダークグレーの部分がマットな素材ですが、脂っぽい手で触ると汚れが目立つので注意。でも拭けばちゃんと落ちます。
サイズはプラグ部分を除いて約111 × 63 × 31mm、重さは約320gでモバイルバッテリーとしては重い方です。
充電器として使用する時のプラグは折りたたみ式になっていて、出し入れもスムーズでカチッと良い音がします。
ポートはUSB-Cが2つ(C1,C2)、USB-Aが1つと3つのポートが配置されていています。上部のUSB-C1ポートのみ入出力対応していて、下部のUSB-C2ポートは出力のみ対応しています。
PC充電時の注意
PCを充電する時は、PCマークがついている上部のUSB-C1に接続してください。
3つのポートの上部にモバイルバッテリーの残量が確認できるLEDランプがついています。
バッテリー残量の目安
・LED1つ点灯 ➡️ 〜25%
・LED2つ点灯 ➡️ 26〜50%
・LED3つ点灯 ➡️ 51〜75%
・LED4つ点灯 ➡️ 76〜100%
電気用品安全法(PSE)の定める技術基準に適合していてPSEマークもちゃんと表示されています。
製品仕様
Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)は3ポート搭載された充電器&モバイルバッテリーですが、ややこしい入出力を含めてスペックを見ていきましょう。
製品名 | Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W) | ||
サイズ | 約111 × 63 × 31mm (プラグ部分を含まない) | ||
重さ | 約320g | ||
バッテリー容量 | 10,000mAh | ||
ポート | USB-C × 2 , USB-A × 1 | ||
入力 | AC | 100V - 240V ~ 50 / 60Hz / 1.63A | |
USB-C1 | 5V = 3A / 9A = 2A / 12V = 1.5A | ||
充電器として使用時 |
USB-C1 | 5V = 3A / 9V = 3A / 12V = 1.5A / 15V = 3A / 20V = 3.25A (最大65W) |
合計最大出力65W |
USB-C2 | 5V = 3A / 9V = 3A / 15V = 3A / 20V = 3.25A (最大65W) | ||
USB-A | 5V = 3A / 9V = 2A / 10V = 2.25A / 12V = 1.5A (最大22.5W) | ||
モバイルバッテリーとして使用時 | USB-C1 / C2 | 5V = 3A / 9V = 3A / 12V = 1.5A / 15V = 2A / 20V = 1.5A (最大30W) | 合計最大出力30W(USB-C単ポート使用時)/ 15W(複数ポート使用時) |
USB-A | 5V = 3A / 9V = 2A / 10V = 2.25A / 12V = 1.5A (最大22.5W) | ||
カラー | ブラック、ホワイト、ゴールド |
充電時の出力が分かりにくいので下の画像を参考にしてください。
Anker 733 Power Bank : 充電性能
M2 MacBook Air
M2 MacBook Airを充電器として使用した場合とモバイルバッテリーとして使用した場合と2パターンで検証してみました。
充電に使用した充電ケーブルは「Anker PowerLine Ⅲ Flow USB-C & USB-C ケーブル」です。
出力を確認してみると、充電器として使用した場合は約60Wで充電され、モバイルバッテリーとして使用した場合は約28Wで充電されて仕様通りでした。
気になる充電にかかる時間もそれぞれ計測してみました。
充電器として使用した場合は、バッテリー残量3%から充電を開始して30分で54%に、1時間32分で100%に到達しました。
モバイルバッテリーとして使用した場合は、バッテリー残量5%から充電を開始して30分で30%に、1時間30分で64%に到達したところでAnker 733 Power Bankのバッテリーが切れて充電終了という結果になりました。
充電器として使用した場合は高速充電(約30分で50%)されるので、ただでさえバッテリー持ちの良いM2 MacBook Airはバッテリー切れの心配はなさそうです。
モバイルバッテリーとしてはさすがにフル充電とはいきませんが、MacBook Airでもスピードは遅いものの60%ほど充電できることがわかりました。
iPhone 14 Pro
続いてiPhone 14 Proも充電器として使用した場合とモバイルバッテリーとして使用した場合で検証してみました。
充電に使用した充電ケーブルは「Anker 541 エコフレンドリー USB-C & ライトニングケーブル」です。
iPhone 14 Pro充電時の出力はどちらの充電方法でも約20Wでスペック通りでした。
充電にかかった時間ですが、
充電器として使用した場合は、バッテリー残量8%から充電を開始して30分で65%になり、1時間39分で100%に到達しました。
モバイルバッテリーとして使用した場合は、バッテリー残量2%から充電を開始して30分で61%になり、1時間47分で100%に到達しました。
充電開始時のバッテリー残量に差がありましたが、どちらの充電方法でも1時間30分ほどで90%強充電できていてほぼ充電完了という結果でした。
Anker 733 Power Bankは最大65W出力なので、どちらの充電方法でも最大20Wで充電できるiPhone 14 Pro単体の充電は、余裕で高速充電も可能です。
モバイルバッテリーとして100%まで充電した後のバッテリー残量ですが、LEDランプが3つ点灯していたのでiPhone 14 Proはモバイルバッテリー使用で2回はフル充電できてしまいます。
iPad Pro 11インチ(第2世代)
iPad Pro 11インチ(第2世代)も同様に検証してみました。
使用した充電ケーブルは「Anker 543 エコフレンドリー USB-C & USB-Cケーブル」です。
最大30Wで充電できるiPad Pro 11インチ(第2世代)の出力を見ると、どちらの充電方法でも24W〜28Wで充電されていました。
充電にかかった時間ですが、
充電器として使用した場合は、バッテリー残量4%から充電を開始して30分で35%になり、2時間7分で100%に到達したのに対して、
モバイルバッテリーとして充電した場合は、バッテリー残量9%から充電を開始して30分で44%になり、1時間50分で100%に到達しました。
100%に到達する時間はどちらの充電方法でも2時間くらいかかるようですが、95%くらいだと1時間40分ほどで充電できていましたのでiPadの充電にもおすすめです。
M2 MacBook Air + iPhone 14 Pro
2ポート使った場合もM2 MacBook AirとiPhone 14 Proで検証してみました。
充電器として使用した時の出力を見てみると、
M2 MacBook Airを上段のUSB-C1に繋ぐと45Wで認識されて計測した出力は約42W、下段のUSB-C2に繋いだiPhone 14 Proは約18Wで充電されていました。
一応試してみましたが、M2 MacBook Airを下段のUSB-C2に、iPhone 14 Proを上段のUSB-C1と繋ぎ変えるとM2 MacBook Airは20Wで認識していて計測した出力は約18Wになり、上段のUSB-C1に繋いだiPhone 14 Proは変わらず約20Wで充電されていました。
なのでMacBook AirなどのノートPCは上段のUSB-C1に、iPhoneなどのスマホはUSB-C2に繋いで充電するとノートPCの充電は速くなります。
モバイルバッテリーとして充電した時は、M2 MacBook AirもiPhone 14 Proも共に約7Wの出力で充電されていましたので、スペック通りでした。
充電器として使用する時よりも出力がかなり落ちるので、少しバッテリーを補充する感じになります。
もう少しパワーが欲しいですね。
M2 MacBook Air + iPhone 14 Pro +ワイヤレス充電器(最大5W)
3ポート使用時の検証には最大5WのAnker製ワイヤレス充電器を使いました。
出力を見てみると、
充電器として使うと、M2 MacBook Airで約42W、iPhone 14 Proで約10W。
モバイルバッテリーとして使うと、M2 MacBook AirとiPhone 14 Proは共に約7W。
モバイルバッテリー使用で最大5Wのワイヤレス充電器を使ってiPnone Xを充電しようと試みましたが、さすがにM2 MacBook AirとiPhone 14 Proも繋いでいるので、給電されたりされなかったりでした。。。
ちなみにM2 MacBook Airをモバイルバッテリーとして充電した時は2ポート使用時も3ポート使用時も8Wで認識していました。
Anker 733 Power Bank : デメリット
Anker 733 Power Bankは3ポート搭載の最大出力65Wのモバイルバッテリーとしても使える汎用性の高い急速充電器ですが、イマイチな点もいくつかあります。
デメリット
- モバイルバッテリーとして使用すると充電能力がかなり落ちる
- モバイルバッテリーとしては重い
- 価格が高め
デメリットは人それぞれの使い方や感じ方によって違うと思いますので参考までに。
モバイルバッテリーとして使用すると充電能力がかなり落ちる
Anker 733 Power Bankは充電器として使う時の出力は最大65Wですので、単ポートはもちろん複数ポート同時使用でもMacBook AirやiPhoneの急速充電ができます。
ただ、モバイルバッテリーとして使った時、特に複数ポート同時使用の時は極端に充電能力が落ちてしまいます。
iPhone 14 ProやiPad Pro 11インチのような最大30Wまでのデバイスであれば、モバイルバッテリーとして使っても単ポートであれば急速充電できちゃいます。
複数ポート使用の場合は合計最大15Wになりますので、「充電はできる」程度で思ってください。iPhoneとMacBook Airの同時充電ならMacBook Airは辛いところです。
モバイルバッテリーとしては重い
モバイルバッテリーは持ち運びが前提になるので、できるだけ小さくて軽いものがいいですよね。Anker 733 Power Bankは約320gの重さでiPhone よりは小さいかなくらいのサイズ感です。
3ポート搭載のバッテリー容量10,000mAhなのでこのサイズと重さは仕方ないと思うか、もっと小さくて軽い方がいいやと思うかになってしまいます。
新作でもっと小さく軽くなることに期待です。
価格が高め
Anker 733 Power Bankは機能とバッテリー容量の大きさからか、それなりに高価な商品です。
費用を抑えたい方は、充電器とモバイルバッテリーを分けるのもいいと思います。
充電器はMcdodoの「GaN5 mini 急速充電器 Type-C 65W PD 充電器」だとAnker 733 Power Bankのモバイルバッテリー機能を無くしたバージョンでおすすめです。
モバイルバッテリーだと容量10,000mAhで最大30Wに対応しているCIOの「SMARTCOBY Pro 30W」。バッテリー残量が数字で見れて、デザインもかっこいいです。
Anker 733 Power Bank同等の性能だとこれらの組み合わせだとコスパも高くておすすめです。
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Anker 733 Power Bank : まとめ
本記事ではAnker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)をレビューしました。
Anker 733 Power Bankは最大65W出力の充電器でモバイルバッテリーとしても使えます。
Anker独自技術「GaNPrime」の採用で、超高出力&小型化を実現しながら複数ポートへの最適配分と安全性を実現しました。
1ポート使用で充電器として使えばM2 MacBook AirとiPhone 14 Proの高速充電も可能で、2デバイス同時充電でも”同時急速充電”が可能です。ただし、モバイルバッテリーとして3デバイス同時充電する時は極端に充電能力が落ちます。私は3デバイス同時充電するのはコンセントに差して充電器として使う時だけなので、それほど気にしません。
iPhoneとiPadの充電だけであれば、価格とサイズ、重さを考えると向かないと思いますが、MacBookも充電したい人にとっては高性能な充電器兼モバイルバッテリーだと思います。